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尾瀬のミズバショー

森川海守の部屋

 

 神奈川県鎌倉市に在住。旅行や釣り情報を伝えるとともに、プラスチックに替えて、自然に帰る商品の販売促進活動と、カトリックの普及促進活動を行っています。

​自然保護の聖地:尾瀬の燧ケ岳(ひうちがたけ)

国土強靭化に反対する

藤井聡京都大学大学院教授の著作「公共事業が日本を救う」を読ませていただきました。あなたの主張を、一言で言えば、日本国土を、地震や津波や台風といった自然災害に強い強靭(きょうじん)な国を造ろうということですね。最近の政府が良く話題にあげる強靭化の言葉はあなたの主張を取り入れたものなのですね。でもあなたの主張の中で欠けている視点があります。それは、地球に、日本国土に住む生き物は人間だけではない。動植物も住んでいるということを、全く考慮に入れていないことです。地球温暖化やマイクロプラスチック問題は人間以外の動植物への配慮がありますが、強靭化理論には動植物への配慮がない。人間の都合だけを考えている。人間の生命、財産のことだけを考える理論である。人間の命は地球よりも重い。正にその通り。しかし、災害では、人間は逃げることができる。災害が起こらない所、川のそばや土砂災害が起こらない所に建物を建てなければ良い。家を建てさせなければ良い。しかし、あなたの主張をそのまま通せばどうなりますか。2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災後、災害地の宮城県では、たった100年に一度の大津波に備えて、10mというビル2階建ての超巨大な防潮堤を造っている。そのようなことをすればどうなるか。まず美しい海岸線は失われる。釣りをしたり、貝を拾ったり、ぼんやりと海を眺めるという海の持つ癒しがすべて失われる。海と陸を行き来していた、卵を砂浜に産み付けようとしていたウミガメなどが寄り付けなくなる。たった100年に一度ですよ。その間の99年間は、高い防潮堤を眺めながら過ごしますか?もっと海から離れて家を建てればいいではありませんか。川のそばに、土砂災害が起こるような山のそばに建物を造らなければいいではありませんか。わざわざ災害が起こりそうな川のそばに老人ホームを造ったりしなければいいではありませんか。実際、平成 21 年 7 月の中国・九州北部豪雨では、山口県防府市を中心に多数の土石流が発生し、同市真尾(まなお)地区にある特別養護老人ホームでは、施設1階に流入した土石流により7 名が亡くなっている。防潮堤も、砂浜や岩場をすべて壊して造るのではなく、もっと海岸から離して造ったらいいではありませんか イタリアでは、1985年に制定された「ガラッソ 法」で、海岸の水辺から300m、湖岸・川岸から150mの部分では、詳細な環境・景観保全計画がない限り、一切の開発を禁止する。標高1,200m以上の山岳部の開発も一切禁止することが決められていると言う。下の写真を見ていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 上の写真は、ヴェネチアのリド島にあるホテルデ・バン。トーマスマン原作、映画「ベニスに死す」のモデルとなったホテルとして有名)。ホテルの前には建物はなく、広い範囲で砂浜が守られている。日本は美しい景観を守るため、動植物を守るための政策を取って欲しいし、取るべきである。そうしなければ、日本を訪れる人は居なくなる。100年に一度の災害のために、その間の99年間、せっかくの観光が台無しになってしまう。自然と遊ぶために、外国に行かなければならなくなる。後世の人が言うでしょう。日本では、なぜ海遊び、川遊びができないのかと。釣りをしたり、水遊びをしたりできないのかと。高い防潮堤に遮られ、垂直の三面コンクリート堤防に遮られ、コンクリートのダム、砂防ダム、コンクリートの堰で森の栄養分や砂が流れなくなり、魚が寄り付かないではありませんか。川に海に近づけないではありませんか。川で海で魚が釣れないではありませんか。泳げないではありませんか。もう一度言いたい。たった100年に一度の災害に備えて、人命と財産を守るために、その間の99年間、美しい景観を、自然の海岸を、自然の砂浜を、自然の川を、全て台無しにしますか?国土の強靭化ではなく、自然の摂理に従ったソフトの政策を取るべきである。堤防は海岸から離れたところに造る。津波の勢いを防ぐ防砂林、防風林を造る。海岸線、川岸、崖等の土砂災害が起こるような所、洪水が起こるような低地に建物を造らせない。特に、老人ホーム等のすぐに逃げられない人たちが住む所に規制を加える。そのために法律を作る。藤井先生、あなたには自然への眼差しがない。地球に住む動植物への配慮がない。もっと自然に触れてください。釣りをしたりしていますか。泳いだりしていますか。キャンプしたりしていますか。山登りしたりしていますか。 あなたが、著書で批判した日本経済新聞(防災対策、行政頼み限界2019/10/14付日本経済新聞朝刊)の久保田啓介氏の記事「堤防の増強が議論になるだろうが、公共工事の安易な積み増しは慎むべきだ。台風の強大化や豪雨の頻発は地球温暖化との関連が疑われ、堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない。人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い。」は、至極まっとうなご意見と考えるがいかに。 

 また、完成直後の空だった八ッ場ダムが、2019年10月の台風19号による利根川決壊を防いだと絶賛されておられるが、もしも空でなかったら、約7,500万立方m(7,500万トン)もの水をためることができたかどうか。最近、「水害に備え、農業用や発電用などの利水目的で整備したダムの容量を空ける「事前放流」の仕組みづくりが全国で進んでいる。」との報道があったが、今まで、水害に備えて事前放流する体制は取られていなかったのだ。そうだとすると、水を貯めた後では、どれくらい、台風による雨水を貯めることができたかどうか。せいぜいが、半分の4,000万トンレベルではないか。藤井氏は八ッ場ダムの効果を過大評価しているというべきだ。 どのようにして水害に備えるべきか?最近では、堤防やダムだけではなく、水を貯める施設の整備や、浸水の危険がある地域での住民や施設の移転といった「流域治水」の考え方への転換が唱えられている。筆者は、流域治水だけではなく、自然を破壊するダムの新設を止め、今あるダムをもっと有効に水を貯められるようにすべきだと主張したい。今あるダムのほとんどは、山からの土砂の流入により、貯水能力を落としている。自然を破壊して新たなダムを造るよりも、今あるダムのメンテナンス、つまり貯まった土砂を取り除いたり、川に貯まった岩や土砂、流木等を取り除く作業を優先事業とすべきである。

2021年02月06日

そびえる壁 泣きたくなる 宮城県雄勝町

かつて日本一美しい漁村」とも呼ばれた宮城県石巻市雄勝町(おかつまち)。ホタテやウニなど海の幸が豊かで、山と海が織りなす独特の景観は地元の誇りだった。」いま、全長3㎞、ビル2階分に相当する9.7mの高さの防潮堤の建設が続く。東日本大震災の結果、こんな途方もない堤防ができた。100年に1度の大震災・大津波に備えるという。しかし、疑問点はいくつも挙げることができる。
 

1.100年に1度の大津波に備えるとしても、 コンクリートはそんなに長持ちするのか。50年しか持たないというではないか。
2.100年に1度の大津波に備えるために、高さ約10m、長さ3㎞に及ぶコンクリートは、100年もの間、美しい海辺の景観を台無しにする価値はあるのか?人命尊重というが、美しい景観を壊すよりも、大津波があったら逃げればいいじゃないか。逃げられないほどの短時間で押し寄せる大津波どありはしない。財産を守るためだという。それなら、津波が押し寄せるところに家を造るべきではないし、家を造れないよう、規制すべきではないか。
3.なぜ、美しい自然を壊すような予算が通るのか?地元の政治家と土木・建築業者が、国土交通省や財務省と利権でくるんでいるのではないかと勘ぐりたくなる。そもそも、政治家や役人に自然を守る、自然の美しさをめでるという美意識がないのではないか?政治家も役人も忙し過ぎて、山に登ったり、釣りをしたり、子供と海辺で遊んだりという経験もないから、簡単に、安易に自然の海岸を破壊できるのだ。
4.大学の土木工学に、自然保全科目を必修にして、1ヶ月でもいいから自然と戯れるような経験、山に登ったり、自然観察をしたり、釣りをしたり、バードウォッチングをしたり、星の観察会をしたりという経験を積ませるべきだ 。そうでもしないと、日本から本物の自然が無くなってしまうだろう。次に生まれてくる世代に、どう申し開きをするのか。自然はどこにあるの?海も川も、白いコンクリートばかりじゃないか、と聞かれて(下記の焼津の海岸の写真を見て欲しい)。
5.コンクリートは、人命と財産を守るため。しかし、 反対に失うものがある。それは、美しい海辺の景観の他に、海と陸を行き来していた海辺の生物、ホタテやウニ、カキ、アサリ、海草が全滅する。砂浜に卵を産み付けるウミガメも来れない。
6.コンクリートに替わって、家屋を海から離した所に建てる。大津波の勢いを減殺する防風林を植える。逃げるための道筋を整備するなどいくらでもある。

2021年02月06日

朝日新聞記事が川辺川ダム容認の世論を作った

11年前に、熊本県の蒲島郁夫知事は川辺川ダム中止を表明していた。しかし、今回の7月の豪雨で記録的な被害に直面した後の、10月6日に開かれた「令和2年7月球磨川豪雨検証委員会」での国交省九州地方整備局の「ダムがあれば浸水面積を6割減らすことができた」とする説明を受けてから、わずか1ヶ月半弱の11月21日には、知事と国土交通省の赤羽一嘉国交相との会談で、「貯留型」ダムを造る国の川辺川ダム計画を廃止したうえで、川の水を流しながら洪水時だけ水をためる流水型ダムを建設するよう国に求めたと言う。 このように、10月6日からわずか1ヶ月弱で、11年前のダム中止表明を翻(ひるがえ)すことになった背景には、10月6日開催「令和2年7月球磨川豪雨検証委員会」での国交省九州地方整備局の説明についての10月7日の朝日新聞等の記事が関係していると筆者は考える。

10月6日の記事は以下のように伝えている。

川辺川ダムで「人吉など浸水面積6割減」 知事「議論の中心に」
熊本豪雨で国推計熊本県南部を中心とした7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した球磨(くま)川の治水対策を巡り、国土交通省九州地方整備局(九地整)は10月6日、11年前に計画が中止された川辺川ダムが仮に建設されていた場合、人吉市中心部と隣の球磨村の一部の浸水面積を6割程度減少できたなどとする推計結果を公表した(以下 九地整 )。九地整によると、川辺川ダムが存在した場合、人吉市中心部での球磨川の最大流量約7,400トン(毎秒)を同約4,800トンまで約35%削減でき、市中心部と球磨村渡地区の浸水面積568.6ヘクタールを約6割減らすことができたとした。家屋の2階までの浸水が想定される深さ3メートルの範囲は同地域で約9割減少できたとも推計。水位は人吉市市街地で約1.9メートル、球磨村渡地区で約1.7メートル、八代市坂本地区で約1.2メートル低下させる効果があったとした。九地整は、ダム計画中止後に検討されてきたダム以外の治水策の効果も報告。遊水地の設置を中心に河道掘削などを組み合わせた対策では、人吉市中心部で最大流量を約25%削減できたと推計。工期は50年以上かかるとした。ダムの工期は言及しなかった。(伊藤秀樹、竹野内崇宏)
  ダム反対に立つ筆者から見ると、この記事はダムの効用ばかりを伝え、氾濫地区からの撤退や遊水地建設等のダム以外の効用をほとんど伝えていない。ダム賛成派に有利な記事になっていると指摘したい。 朝日新聞記事による、国土交通省の説明の要点は、ダムがあれば、人吉市中心部での球磨川の最大流量約7,400トン(毎秒)を同約4,800トンまで約35%削減でき、市中心部と球磨村渡地区の浸水面積568.6ヘクタールを約6割減らすことができたとし、ダム以外の遊水地等で25%削減できるとしている。しかし、ダム以外の遊水地等の対策では、浸水面積をどのくらい減らせたかを示していない。下記は、国土交通省の推計結果をまとめたものである。

      人吉区間の浸水範囲の低減効果
川辺川ダム

:第1期(6/11~9/15)       約6割低減
:第2期(9/16~10/15)       約4割低減

遊水地等の対策を組み合わせた対策   約4割低減

放水路等の対策を組み合わせた対策   約6割低減

出典:国交省九州地方整備局第2回「球磨川豪雨検証委員会」

 

「球磨川治水対策協議会」での治水対策の効果について つまり、ダム以外の遊水地等の対策では、浸水面積を4割(4.3割)も減らせることができるのだ。放水路等の対策ならば、ダムと同じ6割の低減効果がある。朝日新聞記事では、ここの説明がカットされている。もう一つ重要な点は、利水容量が大きくなる第2期(9月16日から10月15日)ならば、人吉区間の浸水範囲の低減効果は4割と、ダム以外の遊水地等の政策と同程度となる。そこのところを報道せず、国土交通省の言うまま、「ダムを造れば浸水面積を6割減らせる」というダムの効果を過大に宣伝する結果となってしまっている。台風シーズンは8~9月である。そこを外して、今回はたまたま7月に豪雨がきたから、9月16日以降の期間の推計結果を外して6割減らせるとした国土交通省の説明をうのみにしてダムの効果をセンセーショナルな記事にした結果が、世論をダム容認に傾かせた原因ではないか。筆者ならば、新聞のタイトルを、「川辺川ダムで人吉など浸水面積6割減、ダム以外の遊水地や氾濫区域からの撤退で4割減」とするだろう。新聞だから、センセーショナルな記事が人々に受けが良い。この朝日新聞等の記事のお陰で、国土交通省は内心、にんまりしているのではないか。ダム開発が承認されたのだから。おまけにダムの工期は言わず、ダム以外なら、工期は50年以上かかるとしている。なに、浸水被害地から安全な所への撤退なら、住民との話し合いで2年から3年、家を建て替えるのに1年、併せても5年もかからないだろう。ダムの建設なら、環境アセスメントに4~5年、ダム本体建設に10~20年はかかる。20年以上待たないと、豪雨に備えられないのだ。地球温暖化の影響もあって、今回の100年に一度の豪雨が、10年に一度の災害になってしまうかもしれず、ダム建設を待っていては、また人命が失われることは必至。ダムによらない対策を真剣に追及し、直ちに実行に移さなくてはいけない。国土交通省は、ダムによらない対策を、省を挙げて取り組むべきだ。「洪水を河道から計画的にあふれさせて制御する流域治水(下記参照)」の考え方も、この流れに伴うものだろう。 国土交通省、熊本県蒲島知事に問いたい。ハザードマップを作るのは当然として、浸水被害が起こりそうな川のそばに住む人々を、なぜ安全な場所に移転させなかったのか。特に高齢者の住む家や老人ホーム等を、川から遠い所、非難しやすい場所に移転させてきたのか。洪水等が起こりそうな時の避難の呼びかけや、避難経路の周知徹底、避難場所の整備等はしてきたのか。浸水被害想定地域に、多摩川等で行われているピロティ構造のビル等を整備してきたのか。町のそこかしこに、遊水地を整備してきたのかと。ダムの中止を表明後はただ協議会で話し合うだけで終わり、今回の洪水に備えられる対策を実行に移してきたのかと問いたい。国土交通省も熊本県等の自治体からは、60名の人命が失われたことの反省の弁が聞こえてこない。  毎日新聞(11月11日)の平川記者の「住民への避難の呼びかけなど当時の関係機関の対応に問題がなかったのか十分に検証しないまま、ダムの効果ばかり強調する国や県などの姿勢には疑問を禁じ得ない。」には大いに賛成だ。  そうして筆者は主張したい。まず、この度の洪水がなぜ起こったのか、なぜ人命が失われたのかを問われなければならないのに、なぜダムの話しが出てくるのかと。洪水が起こったのは、球磨川が氾濫したのは、堤防が破堤したからではないのか。国土交通省の責任が全く問われていないのは考えものだ。また、人命が失われたのは、速やかな非難を呼び掛ける自治体の政策が災いしているのではないのか。最近の新聞記事によると、蒲島知事に対して、「ダムがないから人命が失われたのだ、ダムを造れ」と、球磨川流域12市町村の首長が嘆願したという。特に錦町の森本完一町長は流域市町村の会合で、「ダムがあったら(被害)を完全に防げたのではないか(引用は、朝日新聞記事)」と語気を強めたという。この発言に対しては、国交省でも断言している。ダムを造っても、100%被害を防げない。浸水被害でさえ、やっと6割程度と言っているのだ。

 筆者は、この度の洪水に備える対策を提案したい。この7月より、国土交通省は、流域治水という言葉を使うようになってきた。国土交通省の説明によると、そのイメージは、
○ 気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえ、河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策、
○ 治水計画を「気候変動による降雨量の増加などを考慮したもの」に見直し、集水域と河川区域のみならず、氾濫域も含めて一つの流域として捉え、地域の特性に応じ
①氾濫をできるだけ防ぐ対策、
②被害対象を減少させるための対策、
③被害の軽減・早期復旧・復興のための対策をハード・ソフト一体で多層的に進める。としている。
 この説明のなかで、ほとんど説明されていないことは、森や、山の保水力についてである。国交省の説明資料の中の写真を見ると、ダムに貯まった杉と思しき丸太が堰き止められ、ダムのおかげで下流に流れ出る丸太による洪水被害を軽減できたと、写真の説明が書かれていたが、これは、山に人工の杉が植えられ、そのため、山の保水力が落ち、山に降った雨が、一気に川に流れ込んで最大ピーク流量(ある洪水における最大流量)を増やし、これが洪水の原因の一つになっているのではないかと筆者は考える。広葉樹林と比べると、杉は根の張りが弱く、水を貯える力が弱いことが知られている。洪水防止で大事なのは、「最大ピーク流量」をいかに減らすかだ。降った雨が、一気に川に流れ込めば、川を流れる流量が一気に増えて、破堤を招こう。農水省と相談し、杉に換えて広葉樹林を植林するよう提言したい。
 また、全国どこでも、山の中でも、水のはけを良くしようと、コンクリートの水路、排水路が造られている。これが張り巡らされると、山の保水力が落ち、ピーク流量が増える原因になる。国土交通省の流域治水についての説明にも掲載されるようになった浸水路面や雨水浸透升(ます)のような施設を、コンクリート水路に換えて設置して欲しい。

第2堤防、第3堤防を造って浸水被害が拡大するのを防ごう
 今ある堤防の外側に二重の堤防を造り、浸水面積が広がらないようにしたい。いわゆる二線堤と呼ばれる堤防である。専門用語では、堤防と堤防の間の、水が流れる所が堤外地、住居がある所が堤内地で、堤内地側に堤防をもう一つ、あるいはもう二つ造るというアイデアである。長良川や木曽川等で昔から行われている輪中(わじゅう)提がこれに当たる。ダムを造って自然を破壊する前に、まず二線提を整備するのが先ではないか。第2、第3の堤防を造れば、浸水面積の拡大を防げる。
 また、輪中提の中にある住居を見学したことがあるが、家々が洪水に備えてボートを備えていた。川辺川はどうであったろうか。令和2年7月豪雨の前にも、今から55年前の昭和40年7月にも洪水が起こっている。洪水常習氾濫地区に住む人達の洪水に備える準備は整っていたのかと問いたい。
  洪水常習氾濫地区からの立ち退き
 もう一つ、自然破壊のダムを造る前に洪水常習氾濫地区に住む人達を川から立ち退かせることが重要だ。川のすぐそばに住居を建てるというのはどう考えたら良いのだろうか。まず川の水が運んでくる土砂で自然に積みあがった自然堤防を壊して住んでいる。これは自然を破壊し、自然の景観を壊している。その上に、洪水が来る恐れがあるとして、税金を使って、家の前に強靭な堤防を造らせている。洪水は必ず来るものと考え、法律を作って、氾濫地区から立ち退かせ、自然の河川に戻すことが必要だ。人吉地区でこれを実行すれば、眺めが良くなって、川下りの観光客が大喜びすること必至である。川そのものも、洪水が来ることにより、土砂やごみや繁茂する植物等の不要物を流し去ることで、生命にとって洪水は恵みの雨に匹敵すると言われる。洪水は数十年に一度は来るものと考え、そ れをダムによって排斥するのではなく、受け入れることが必要だ。この度の洪水では、国土交通省の専門家でさえもお手上げと言っているのだ。 道路を洪水の水を流す放水路として使おう! 球磨川放水路案が、球磨川治水協議会で議論されていた。この案は、水路を新たに造ろうという提案である。国土交通省によれば、ダムに匹敵する効果がある。これに対して、費用が掛かる水路を新たに造るよりも、今ある道路を使って、洪水の溢れた水を流せるようにしたらどうかと提言したい。水は上手から下手に流れていく。道路を洪水時に水路として使うためには、川の上手から、下手の海へと繋がるように道路を整備することや、脇道に土嚢(どのう)を作って、水を適切な所に誘導することも重要だ。ダムや新たな水路を造るよりもわずかな費用と期間で整備できよう。是非、検討してもらいたいと提言する。 ダムに貯まる土砂を取り除くという維持管理を国交省に求めたい  ダムを造れば、下流には砂が流れてこないため、全国各地の砂浜がやせ細っている。ということは、土砂がダムに貯まっているということだ。ダムを造る際には、洪水調節容量、利水容量の他に堆砂容量を設定している。この堆砂した土砂を取り除くことができれば、それだけ、洪水調節容量が増えて洪水時、水を蓄えて、下流での洪水被害を減らすことができる。以前国土交通省の関係者に聞いたことがある。ダムに貯まる土砂を取り除いたらどうですかと。関係者いわく。費用がかかるから、それはできないと。
 しかし、筆者は主張したい。新たなダムを造るよりも、今あるダムを、費用をかけてでも大事に使って、土砂が貯まって、機能できなくなったダムから土砂を取り除き、生き返らせるのだ。そうすれば、自然破壊するダムの新設を抑えることができる。関係者の言は、自然破壊して新たなダムを造る方が安いと言いたいのだろうが、現在、自然の価値を経済的に計測しようという流れがアメリカから始まって、ヨーロッパでも日本でも広がりつつある。最低でも、(注)CVM(Contingent Valuation Method:仮想的市場評価法)で自然の価値を計測した後で、評価して欲しい。自然破壊して新たにダムを造り続け、既存のダムは土砂を取り除かず、土砂が貯まってダムとしての機能が落ちるまで使い続けるのが安いのか。新たなダムを造るのを抑え、できるだけ土砂の堆積を抑えながら長く使い続けるのが安いのかを。土砂を取り除く作業は大変で、特に重機がダム湖から土砂を取り出す際に、細かい砂がこぼれ落ちて、下流に漁業被害を及ぼす。被害を及ぼさない何らかの工法を編み出して欲しい。入札額を上乗せして技術開発のアイデア提出を促し、もってダムを蘇らせて長く使い続けることが、自然保護のためにも、税金の無駄使いを防ぐためにも必要だ。
(注)CVMとは、無作為抽出のアンケートで、「あなたはここにダムを造る場合、どれ位補償してもらいたいですか」などと尋ねた結果を統計処理して自然の経済的な貨幣価値を計測するというもの。

 日銀はETFの株ではなく、人間に投資せよ!

公的マネー日銀主導で株高演出 朝日新聞記事2020年10月23日の記事より考えたこと
 日銀黒田総裁がアベノミクスの8年間にやってきたことというのはなんであろうか。それは、毎年6兆円のお金を使って、日本株に投資する上場投資信託(注:ETF)を購入し、株高を演出してきたことである。日銀のETF保有残高(時価ベース)は3月末時点で28兆円強となったという。朝日新聞の記事には、この8年間で、株トレーダーのテスタさんという人の一獲千金の話がでていた。その記事によると、この8年間でアルバイトで貯めた300万円を元手に40億円を稼いだという。このように、黒田総裁は、アベノミクスの8年間、紙幣を刷って株を買い、株を買えるお金持ちや企業を優遇してきたということだ。その結果どうなったか?8年間かけても、2%の物価上昇を達成できなかった。お金を市場にじゃぶじゃぶ流すだけでは、経済が良くならない、2%の物価上昇は達成できなかったということだ。
注)ETF:Exchange Traded Fund の略:ETFは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)等の指数に連動するように運用されている投資信託の一種で、証券会社に口座を開けば、株式同様手軽に株の売買ができるというもの。
ベーシックインカムとして、子供のいる家庭に毎月5万円を支給して、消費者の購買力を高めよ!  
 ではどうすべきだったか?消費者が商品を買う力がないために、商品の値段を下げないと売れず、ために物価が上がらないのである。消費者が安心して、商品を買う、旅行に出ることができるようにすれば、物価は上がり、経済も上向いてくる。この根本のことをしないで、ただお金をばらまいただけでは、お金持ちがさらに肥え太るだけ。国の借金である国債を購入することで、ダム等のコンクリートによる自然破壊に手を貸しただけである。消費者者、市民の購買力を向上させないならば、今後も2%の物価上昇の目標は達成できないだろう。 消費者の購買力を復活させるにはどうすれば良いか。消費者の待遇をよくすることだ。安心して旅行に出られる。結婚できる。安心して子作りができる。そういう環境を、政府と相談しながら進めていくことが必要だったのだ。総裁はそのことを理解されておられるのか 。  いま最大の日本を覆う闇は、非正規社員が勤労者の半数近くを占めていることだ。なんと、仕事探しのプロ、失業者に仕事を探すハローワークの公務員もその職員の半数は1年契約の期間業務職員という非正規社員なのだ。ハローワークに勤めている知人を知っているが、毎年の年度末、継続があるかどうかの査定があり、国の予算がつかなければ、次の職場を探さなければならないという。何を明かそう、筆者も中央省庁の3年間の期間業務職員で、3年がたった今年、継続されるかどうか、びくびくして待っている。これでは、旅行やマンションや車を購入したり、結婚式をあげたりといった高い買い物は無理というものだ。筆者が若い頃は、仕事に就けば、それは正社員しかなかった。そういう社会に戻すべきだ。時給も千円ではそこそこの生活しかできない。最低賃金も1,500円以上に上げるべきだ。時給1,500円で手取りやっと月給20万円となる。この金額では、地方の小規模会社がつぶれると主張する方がおられるが、輸入品の値段も含めて皆が同じ土俵に立てば、困ることはないし、消費者の購買力の上昇でむしろ恩恵を受けると主張したい。 自治労によると、国家公務員は正規職員26.5万人余に対して非常勤職員は7.8万人余りで、常勤職員との合計34.4万人に対する非正規率は22.7%となっている。地方公務員では、総務省が調査を初めて行った2005年には全国で45.5万人だった地方自治体の臨時・非常勤職員は、2016年には64.3万人と11年間で18.7万人・41.1%も増加しているという。国家公務員と地方公務員の非常勤職員の合計数は72.1万人。仮に、1ヶ月間の勤務日数を20日間とし、非常勤職員に時給1,000円から1,500円に引き上げるのに年間必要な資金は、500円×20日×8時間×12ヶ月×72.1万人≒わずか7千億円だ。子供への5万円の支給と、公務員の待遇改善が必要だ! 日銀への提案 株に投資して金持ちを優遇するのではなく、人間に投資して経済を立て直すという方法を提案したい。つまり、生まれた子供一人に対して、毎月5万円を配布するという、今はやりのベーシックインカム(最低所得補償)の考え方である。具体的には、上場投資信託ETFの株の購入の代わりに、紙幣を刷って、子供が生まれた世帯に毎月5万円を投資するのだ。 総務省統計局によると、2020年4月1日現在の子どもの数(15歳未満人口)は、前年より20万人減少し1,512万人で、1982年から39年連続の減少となり、過去最少となったという。仮に、ETF株の購入を止めて、代わりに、子供が生まれた世帯に毎月5万円を支給した場合、それにかかる費用は、年間、1,512万人×5万円×12ヶ月≒9兆円だ。6兆円のお金を刷って、ETFに投資して、お金持ちをさらに肥え太らせるのではなく、子供が生まれた世帯に投資すれば、将来の年金負担者、税金支払い者となって、国を富まらせる。 子供への投資の効果  子供に投資してどんな効果があるか?インフラ投資ならば、鉄やコンクリート、土木業者に勤める勤労者にだけ恩恵が渡るが、子供一人に投資すれば、服を買うだろうし、食べ物も買うし、映画も見る。旅行にも行くし、学校にも行く。大人になれば、会社に勤めて、国に税金を支払ってくれるし、年金も支払ってくれる。こうしてみると、お金持ちだけが儲かる上場投資信託ETFに投資するよりも、また国債を発行してダム等のインフラに投資して自然破壊に片棒を担ぐよりも幅広い経済に福をもたらすのが分かるだろう。経済を立て直してくれる。年金財政を、税金収入を立て直してくれる。日銀は、金融政策だけを行う省庁から、国の基本を築く省庁に生まれ変わることが必要だと筆者は主張する。少なくとも、株に投資するよりも、国の基を築く人間に投資する省庁に脱皮すべきと考えるがいかに?

 ところで、この日銀がETFを購入する原資は何だろうか。この答えは、Yahooの知恵袋に出ている。問い:日銀のETF購入の原資ってどこから出てきてるんでしょうか? )回答: 私の理解では、日銀は信託銀行を経由して、信託銀行に株式市場からETFを買わせます。信託銀行は購入したETFを日銀に引き渡し、代金は日銀にある自行の口座に日銀当座預金として入ります。日銀にとってはこの取引でバランスシートの片側にETFが増え、反対側にその額の日銀当座預金が増えて、バランスします。信託銀行も一旦建て替えたETF代金は日銀当座預金で充当され、それは他の銀行との取引に使えます。それでは、増えた日銀当座預金はどこから来たのか?  国が出したわけでなく、国民が出したのでもなく、「誰も懐を痛めていません」。  文字どおり、架空から出てきたお金です。これを通貨発行益といいます。 このようにして日銀には日銀当座預金が300兆円も貯まっており、黒田さんはさらに毎年80兆円以上づつ増やすと言っています。このほとんどはETFではなく国債を購入することで貯まったものです。 このように日銀に国債と日銀当座預金が超大量に貯まることは異常事態であり、今後どのようになるか皆が心配しているところです。他の人が言ってるように日本銀行券(つまり紙幣)の製造元ですので悪い言い方で言えば無限に作れるんですけど、無限に作って流通させるとブラジルや韓国のように超インフレになるので、そこを流通量というものを考えて公定歩合を含めてコントロールするんです。それが日銀の仕事の1つです。流通量を変えないで行なう場合は日銀の市中銀行からの預入金を借入する形で使えば良いですよね。でもそれだと見せかけのインフレにしかならないはず。下記の日銀の貸借対照表を見ると分かり易いかと思います。
2015年9月末負債を見ると、発行銀行券 91,561,753,811,850(円)とありますが、これは1万円札とか千円札とかの日本銀行券のことです。他にも一般の銀行が日銀に預金しているお金が250兆円近くあることが分かるかと思います。こういったので集まった資金で買っています。 一般の銀行が預金や社債、借りたお金で、個人や企業へお金を貸したり債券や株を買うのと似ています。日銀は社債とかではなく、自分でお札を発行して買えるところが一番違うところですけど。

緊急事態宣言解除後、各職場で、地方移転が可能かどうか真剣に考えてみよう!

 2週間延長されて、やっと3月21日で新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除されると言う。不謹慎ではあるが、いまの状態ははっきり言って楽である。この状態が続いてくれることを願いたいと思っているのは筆者だけであろうか。何が楽なのか。バスも電車も座れることが多いからだ。座って新聞を読めるのはありがたい。宣言が発出されていないときはどうだったか。ぎゅうぎゅう詰めが多かった。信号故障や、人身事故がでたといっては、電車の中はぎゅうぎゅう詰めである。そういう中で、スマホでゲームをしている奴がいる。操作中はひじがはるので、隣の人は迷惑この上ない。こんな状態を作り出しているのは誰か?まず東京首都圏に人が集まり過ぎていることがある。どこの会社も官庁も、通勤時間が一緒のため、電車が混雑してしまう。時差通勤をこのまま続けて欲しいと願う。また、電車は電車で、2階建てグリーン車があるのだから、全車両を2階建てにすれば、ほとんどの人が座れるようになるのに、JR東日本はなぜそうしないのか。電車に飛び込む者がいるから、後始末にみんなが苦労する。ホームドアを普及させれば飛び込むことができない。なぜもっと普及させないのか。JR等が金儲けだけ求め、通勤通学者の苦労を踏みにじっていると言えるのではないか。JR東日本のトップ、代表取締役社長深澤祐二さんに、通勤ラッシュ時に、通勤電車に乗ってみてはいかがかと言いたい。お宅の電車に乗って、皆がいかほど苦労しているか、身に染みて感じるだろう。お客様は神様ですなんて誰がいったか。少なくとも、JR東日本だけはお客様は神様ですとは思っていないだろう。

 緊急事態宣言が発出されてはっきりしたことがある。それは、皆が通勤しなくても、自宅でも仕事ができるという現実である。困ったのは、筆者の職場では、テレワーク用のパソコンが3人に1台しかなく、3週間に1回、2日間のテレワークしかできないことだ。テレワークの時は重いパソコンを担いで自宅と勤め先の新橋まで往復しないと行けない。ノートパソコンも、パソコン本体と液晶ディスプレーとキーボードが分離できるような機種を開発してもらい、パソコン本体だけ、職場と自宅を行き来できるようにするとか、セキュリティーを強化したソフトを導入して、職場のパソコンの状態を自宅でも再現できる安全・安心なソフトを開発するとか策を講じて欲しいと願う。

 ヤフーニュースを引用しよう。「昨秋、パソナグループが突然、東京にある本社機能の一部を淡路島へと移転すると発表した。約1800人の事務職のうち、約1200人を2024年までに異動させる。「島」という言葉のインパクトが強いため、社員たちが東京の中心部・大手町から絶海の孤島に流されていくという“哀れ”なイメージがSNSで拡散した。しかし、実際に移住したパソナグループ 渡辺尚副社長 執行役員は次のように説明する。「通勤は満員電車に揺られなくて済むから、とても楽。空気はきれいだし、私の家から5分で、海にも天然温泉にも行けます。遊ぶところがたくさんあって、子育てには間違いなく良い環境。家賃は東京の3分の1ですし、食べ物もおいしくて安い。同期入社の社員たちが休日に集まって、釣りに行き、釣った魚のバーベキューを満喫していますよ」“島流し”とは程遠い。まるで、リゾート地で休暇を取りつつ働く「ワーケーション」を実践しているかのようだ。」
 文化庁も、2022年度京都移転が決まっている。しかし、2019年10月の新聞記事では、安倍内閣が進めてきた中央省庁の地方移転で、結論が出ていなかった消費者庁の徳島県移転が見送られたと言う。この際、どんどん地方に移転してはどうかと提案したい。地方は楽でいい。職住接近で勤め口が近い。筆者は、長崎で6年間、教師をしていたが、学校まではバイクで10分程だし、映画館や釣り場までバスやバイクで30分ほどである。有名な小浜温泉や雲仙温泉までは、長崎駅からバスで1時間少し。首都圏ほど混んでいないので、5月の大型連休中も宿が取れる。人が集まり過ぎている首都圏ではこうはいかない。
 緊急事態宣言発出後にはっきりしたことは、自宅で仕事ができるということである。ということは、官庁も民間会社も、地方に行っても仕事ができるということ。むしろ住み易い地方に出て行くべきであるということである。緊急事態宣言解除後は、地方で仕事ができるかどうか、中央省庁も、民間会社も、真剣に考えてみようではないか。
 もう一つの提案は、宣言発出後の時差通勤の状況や、テレワークの状況、地方移転の可能性、人々の気持ちなどについて、全職場でアンケート調査を実施して、今後に生かしてはどうかと提案したい。特に率先して中央省庁で実施してはどうか。先の消費者庁の移転の検討では、官僚が抵抗したから実施できなかったというではないか。

 

 

 

 


イタリアのホテルの前の砂浜
イタリアのホテルの前の砂浜
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