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プラスチック資源循環促進法(正式名「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)が2021年6月4日に成立、11日に公布されました。公布後1年以内に施行されます。

下記の画像は、環境省からコピーしました。

法律案
プラスチックに係る法律案の概要

プラスチック資源循環促進法の特徴

1.法律の対象:すべてのプラスチック使用製品

2.法律の対象事業者:プラスチック使用製品製造事業者等(プラスチック使用製品の製造事業者及び使用製品の設計事業者):ワンウェイプラスチックの製造事業者、コンビニ等の提供事業者

3.プラスチックの資源を循環させる方法
①認定プラスチック使用製品の普及促進:プラスチック使用製品の設計指針を設けて、指針に適合した製品を認定プラスチック使用製品とし、その利用を促進する。
②プラスチック使用製品設計指針においては、プラスチックの使用量の削減、プラスチックに代替する素材の活用、その他プラスチックの資源循環を促進する設計指針を設ける。
③プラスチック使用製品製造事業者等は、プラスチック使用製品設計指針に即してプラスチック使用製品を設計する。
④プラスチック使用製品の設計がプラスチック使用製品設計指針に適合していると認める時は、設計認定をする。
⑤設計認定にあたっては、指定調査機関が設計指針への適合性についての
 技術的な調査(設計調査)を行う。
⑥特定プラスチック使用製品:ワンウェイプラスチック(使い捨てプラスチック)
 特定プラスチック使用製品:商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)第二条第一項の商品の容器及び包装(「容器包装」を除く)の使用の合理化によりプラスチック使用製品廃棄物の排出抑制に取り組むべき「判断の基準となるべき事項」を定め、当該特定プラスチック使用製品多量事業者に対し、排出抑制に関し必要な措置を取るべき旨の勧告をすることができる。

4.分別収集を担う市町村の費用負担
 これまで、プラスチックについては、容器包装リサイクル法に基づき、レジ袋やペットボトル等の商品の容器及び包装を収集していた市町村は、今後はすべてのプラスチックを分別収集して、容器包装リサイクル法に基づく指定法人に再商品化を委託することができる。但し、国が、プラスチックの分別収集に係る費用負担のどれほどを負担してくれるのかについては、今後制定される政省令に待たねばならない。

5.プラスチック資源循環促進法の問題点
①特定プラスチック使用製品の「使用の合理化」やプラスチック使用製品の「設計指針」、プラスチック使用製品廃棄物の排出抑制に取り組むべき「判断の基準となるべき事項」については、法律に明記されず、1年かけて政省令に明記される。法律で最も重要な事項が国会で議論されず、環境省と経産省という行政が政省令に明記する点である。
②プラスチックは資源として使い回すのが正解なのか?
 すべてのプラスチックは、野外に出れば、マイクロプラスチックになる。現在、プラスチックを分解する微生物はいない。ただ紫外線や水分、風、波等により劣化して小さくなっていくだけである。5mm以下になったものをマイクロプラスチックと呼んでいるが、さらに劣化して、かつお節を削るようにはがれて行って、マイクロの1千分の1以下のナノの単位になったものが、大分県九重連山の標高1,791mの森の樹氷から見付かっている。高度1,000m辺りでは、地球を循環する風が吹き、樹氷は風の中の汚染物質を取り込んでいる。分析の結果、樹氷が取り込んでいる汚染物質に70μm(1μ₌0.001mm)のプラスチックが、1ℓ中に5,000~1万個含まれていたという。杉の花粉の直径30μmと同等の大きさである。研究している福岡工業大学の永淵修博士は言う。「プラスチックには寿命がない。分解しないし、何百年もふわふわふわふわと地球上を漂い、マイクロプラスチックの小さくなったものが、呼吸や食べ物を通じて、人体に取り込まれ、血中に入って、どういう悪さをするかと」。このままプラスチックを使い続ければ、今から50年後、外を出歩くのも、マスクをして歩かなければならなくなると言う。また、ナノの単位にまで劣化して小さくなったものは、小腸から排泄されず、小腸の壁に吸収されて、血液中に入り込んでしまうという。そうなった場合、胎盤の組織に多く入り込みやすくなると指摘されている。ナノプラスチックが長い期間胎盤にとどまると、赤ちゃんに栄養素やホルモンが十分に行き届かず、悪い影響が出る可能性があると指摘されている。
 こんな人間も含む生物に危険なプラスチックは、資源として扱うべきではない。早急に製造を止め、生分解可能な別な素材に転換していくべきである。野外にうち捨てられたプラスチックはすべて拾って、焼却処理し、地球上から取り除かなければいけない。中でも発泡スチロールは質(たち)が悪い。使っていると、ボロボロとポリエチレンの粒がはがれて、使った先からマイクロプラスチックになる。


海洋のごみは、川から海に流れ込む前に拾え!
 筆者は、1年半に渡って、河川に浮遊するごみを拾う河川清掃業務についた経験がある。その経験から、海洋に漂うごみは、ごみが海に出る前に、沿岸国の責任で、河川を流れている間に、岸部に作ったごみトラップで集めて、拾い上げるのが一番効率が良いと言っておきたい。アメリカの一青年が作ったNPOの「オーシャン・クリーンアップ」は、海上に全長2㎞の巨大なV字型の浮きで漂流ごみを集めて船で回収する実証設備を対馬沖に設置してごみを拾い集めているという。これも一つの方法だが、ごみが発生するのは河川であるから、海に出て拡散する前に拾い集めるのが効率が良いし、ごみが発生する沿岸国、沿岸の自治体の責任でもある。

 

<河川浮遊ごみの特徴>
 河川を流れているごみの特徴は、上げ潮時に岸辺に溜まっているごみが上流に流れる川の流れで押し流されるうえに、さらに上げ潮時には、下流に滞留していたごみが上流に上ってくるため、満潮前後にごみが多いというのが一つの特徴である。また、船の通行による波で、川の真ん中を流れている間に、ごみは岸辺に寄ってくる。このため、ごみは岸壁に沿って流れて来るというのが二つ目の特徴である。そこで、岸辺にごみトラップをつくって、自動でごみを拾い上げてごみ箱に流し入れられる機械を考案すれば効率が良い。国土省や東京都等の自治体で考案して、沿岸国、沿岸の自治体の責任で設置すべきである。東京都の河川清掃船では、岸部のごみを拾い上げるのが難しい。岸辺は浅い所が多く、船が近づけられないためである。船を改良し、伸縮自在の腕を伸ばせば、流れて来るごみをコンベアーに流し込む機械ができれば好都合である。これも考案して欲しい。岸辺に貯まっているごみも、満潮の時や洪水、ダムの開放等で、岸部からまた川に流れ込む。岸辺に貯まっているごみも、岸部から拾い上げて欲しい。河川清掃は、河川に浮遊するごみを河川清掃船で拾い上げるのと、岸部に滞留するごみを、岸部から拾い上げるという、河川と岸部の二方向からごみを拾い上げるのが良い。東京都は、川面を流れるごみを河川清掃船で拾い上げるだけではなく、岸部に滞留するごみを拾い上げる別動隊、さらには、河川へのボートや自転車、家電、ベット等の不法投棄を取り締まる別動隊の3部隊を作って欲しいと願う。同年齢の小池百合子東京都知事殿に、是非にとお願いする。

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