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執筆者の写真森川海守

あなたは悪魔を信じますか?


 世の中で色々な事件が毎日起こっているが、その中で、この事件は悪魔にそそのかされて起こされた事件だと確信して思うときがある。そういう事件の一つがあるカトリックの学校で起こった。今から数十年前のことで、ある修道士が起こした事件である。かれは神父ではないが、長年、この学校の発展に功績があり、この度の建造式典も、彼が全力を尽くして建造の運びとなった建物の完成を祝う式典であった。その式典をまじかに控えたある日、彼に非情な命令が司教様から下された。式典の前にその学校を離れて別の学校に移動しなさいという司教様の命令である。カトリックは階層社会で、下の者は、上の者の命令に従順に従わなくてはいけない。しかし、この修道士は納得がいかなかった。自分が無き者にされたと感じ、激しい怒りを抱いた。年下の神父、どうやらこの神父が画策した移動だったようだ。修道士はこの年下の神父を自室に呼び出し、なんと話し合いの最中、激情の余りナイフで神父を刺し殺した上に、自分をも刺して自死してしまったのだ。筆者が疑問に思うのは、時期である。もうすぐキリスト様の十字架にかかった聖金曜日のミサがあり、その日曜日にはご復活を控え、信者はもちろん、聖職者にあるものは断食をしたり、祈りをしたりという大事な時期に、とんでもない事件が引き起こされたのだ。筆者は、この事件の新聞記事を見て、これは悪魔にそそのかされて起こされた事件と確信した。事件を起こした修道士は地獄に行った。そう確信した。因みに言えば,歴史を紐解いてみれば、この人物は死ぬ間際に改心の心を起こしていない限り地獄に行ったと確信する人物を特定できる。あのユダヤ人を虐殺し、愛人と自死したドイツのアドルフ・ヒトラー、比叡山延暦寺の焼き討ち事件で何万人と殺し、最後は自死した織田信長、朝鮮出兵では何万人もの韓国人を殺した豊臣秀吉などを挙げることができる。

 

 ところで、この悪魔、元は天使だったのをご存知だろうか。あろうことか、悪魔も神様が創造されたというのだ。創造物に自由意志を与えたために、自由意志が悪用され、悪魔が生まれたという。「悪魔の話し」(講談社現代新書)の著者、ドイツ文学者の故池内紀(おさむ)氏は、「神は悪魔が人間を誘惑するがままにさせているとしても、それは人間を罪にめざめさせるためであって、悪魔との戦いを通じて徳に至らせるため。謙譲を教えて、悪を見分けるすべをさとらせ、しょせんは神に依存している自分を見出させるためではなかろうか。」と述べておられる。

 さて、なぜ筆者が悪魔の話しをしているのかというと、最近、フランスのカトリック教会の神父らが、21万6千人の子どもたちに性的虐待などの性被害を加えたとする報告書が10月5日に公表されたからである。アメリカでも日本でも同じような報告がされている。これは特に狙われやすい神父が、カトリック信仰から一般の人を遠ざける最大のチャンスとして、悪魔によって標的にされたと言える。性的誘惑については、カトリック教会の神父が独身を通すこと、これがいけないのではないかと思う。性的誘惑に打ち勝つことは並大抵ではない。最近のインターネットの普及で、目にしたくなくても、宣伝を通して、新聞広告を通して、裸の女性が目に飛び込んでくる。神父も人間である。以前に、アメリカで、カトリック神父2人を、ラスベガスに連れて行くと言う企画があった。テレビを見ていると、黒づくめの神父が2人、お立ち台で裸同然で踊っている踊り子を見て、興奮が絶好調に達している様を見たことがある。娯楽の殿堂、ラスベガスに行って、自分自身も含めて興奮しない男性はいないだろう。イスラム教を起こしたマホメットでさえ、女性だけに全身を黒い衣服で覆うブルカを着せると言う虚に出たが、これは、女性は男性に罪を起こさせる張本人だから、社会の中を、肌を出して歩かせるな、長く美しい髪をなびかせるなとなって、女性だけにブルカで全身を覆う厳格な宗教をはじめることになったのだと筆者は思う。「性を謳歌する」、いいではないか。それが自然なことである。そうでなければ子供は生まれない。性を謳歌しなければ、やがて人類は滅びるだろう。種を残せずに滅びるだろうと思う。


 独身を貫くというカトリックの制度は、性的虐待を起こすようになっては、制度疲労を起こしていると指摘できる。宗教改革を起こして、カトリックから分かれて行ったルター派を初めとしたプロテスタントは、既にルターの時から、既婚を許しているし、女性牧師も許可されている。最もカトリックに近いイギリス国教会(聖公会)でも、妻帯が許されているし、女性神父もいる。フランシスコ法王には、神父の妻帯制や女性神父の公認を、英断をもって実行してもらいたい。はっきり言って、女性神父がいなければ、カトリックには女性差別が残されていると断言する。

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