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執筆者の写真森川海守

ベランダ天文台の勧め!

ベランダから天体望遠鏡で星を見る

  マンションの購入を決めた日、思ったのだ。「しめた!ベランダから天体望遠鏡で星が見える!」と、しかし中々高価な天体望遠鏡は買えなかった。子供が10歳になって迎えた最初のクリスマスの日、プレゼントに、望遠鏡を買ってあげようかと思い、ビックカメラで物色していたら、ことごとく売り切れの札になっていた。親が考えることはどこも同じである。通販でも物色してみたがどの機種も売り切れであったが、よくよくインターネットを物色してみたら、ビクセンのポルタⅡ(AB0Mf)、口径80mm倍率144倍の屈折式望遠鏡が3万5千円で購入できた。しかし、月を見ても中々焦点が合わない。高倍率のレンズに至っては、暗い上に、焦点を合わせるのが難しい。なんやかやで、とうとう愛想をつかし、メルカリで半額で売り飛ばしてその金を元手に、今使っているのは、6万円弱のKenko Sky Explorer SE-GT102MⅡである。自動導入システム、自動追尾機能があり、見たい星を望遠鏡が自動で導いてくれると言う。そういう謳い文句であったが、自動導入をするのに、2つの一等星を見つける必要がある。しかし、ベランダから空を見ると一等星の名前が分かるのはせいぜい1つの星くらいである。その上、付属しているコントローラが液晶ディスプレーに星の名前を映し出すのだが、ボタンを押してもすぐに次の候補の星の名前が出てこない上に、出てきた星の名前がほとんど聞いたことのない星の名前なのだ。せめて星座早見盤に出てくる星だけでやって欲しいものだ。結局調べあげた結果、ディスプレーに出てきた40個の星の中で、ベランダから見える星はわずか2つのみ。目の前の樹木が邪魔していたり、屋根が天頂を見るのを邪魔していたり、隣りの壁が邪魔していたり。すぐに動かないボタンを押して延々と見える星を探すと言う手間がかかるのが難儀であった。最大の難関は、望遠鏡が自動で映し出した星がファインダ―では見えるのだが、接眼レンズには映らないことである。そこで、ボタンを押して望遠鏡を動かそうとするのだが全く反応がない。とうとう、メーカーに電話で尋ねたら、速度ボタンがあって、自動ではボタンを押してもほとんど動いているのが分からない遅い速度に設定されている。これを変えなくてはいけないと言う。これが分かるのに優に9ヶ月かかった。取り扱い説明書には、自動では遅い速度に設定されていると付け加えて欲しいものだ。さらに自動導入がうまく動いてくれるためには、望遠鏡が水平になっていなくてはいけない。あれやこれやで、とうとう先日、自動導入が成功して、散開星団が見えた時は感動した。これから冬を迎え、ベランダからは華麗な冬の星座、オリオン座が見えるので、それが目下の最大の楽しみである。


天体望遠鏡を使って一番がっかりしたこと

 書籍やテレビ、iPhoneで見ると、オリオン座大星雲や木星等の縞模様に色がついているのに、なぜ天体望遠鏡で見た星に色がつかないのか。最大の難問であった。実は、遠方からの光はわずかで、長時間露出してやっとカラーで写真に写る。しかし、人間の眼は長時間露出ができず、星がカラーでは見えないのだ。オリオン座大星雲、カラーで見たいものだ。実際はぼやーんと靄(すみ)がかかっているだけである。どうやら一眼レフカメラを望遠鏡につなげてレンズの露出時間を長くすれば色がt着くという。今後の課題である。


望遠鏡を使って一番感動したこと

 下記に紹介するソフトでは、流星が見える放射点を指し示してくれるというので、そのソフトを使って上空を見ていたら、流れ星が右に流れていった。一番感動したのは、接眼レンズの中で、流れ星が横切ったときである。いつも行く散髪屋さんのおじさんは実は若い頃、星観察クラブに入っていたことがあり、88星座がすべて分かると豪語されているが、レンズの中で流れ星が流れたという話をしたらそれは珍しいですねといってくれた。


星空観察で取り揃えたいソフト:iステラ(iPhone用)と スマートステラ(iPod用)

 一番の問題は、星座早見盤を使っても、今見える星の名前が分からないことであるが、iPhoneやiPadを星の方角に向ければ、矢印が出てきてナビゲートしてくれる上に、星の名前や流星の放射点を教えてくれるソフトがある。これは重宝する。有料のソフトでわずか480円である。

Star Walk 2-星座アプリ3D(iPod用):同じような機能を持つが、ニュース等で今夜何が見えるかなどを案内してくれるので、便利である。ただ、英語翻訳文なので、日本語がぎくしゃくしているのが難である。


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