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発泡スチロールの製造・販売・使用を禁止しよう!

 ある生協の配達員が帰った後を見ると、冷蔵品を入れた発泡スチロール箱の破片があちこちに落ちているのを見る。これって、一体なんのだ。配送が終わってみれば、お客さんの玄関にごみが落ちている。それも配達に使った箱からはげ落ちてきているのだ。5mm以下のマイクロプラスチックが空に、陸に、海洋に漂い、現在は小さなプランクトンまでもが体の中に取り込んでいるいま、玄関に落ちている発泡スチロールの破片は、拾われない限り、風に運ばれて河川へ、海へと流れていって、紫外線や風力等により、マイクロプラスチックになることは必定(ひつじょう)。

 

 河川に漂う発泡スチロールも厄介である。筆者は、5年ほど前、河川清掃に従事し、船の上から3mの棒の先端に付いた外径32cmの網で、流れてくるごみを拾うという仕事をしたことがある。ごみの中で拾うのが一番厄介なのは、風に飛ばされやすい発泡スチロールのトレイやカップである。風が吹いている状態では、網で拾い上げても、二の間(ま)(船の中のごみを置いておく広間)に投げ入れる段階で飛ばされてしまう。また、隅田川で拾っている時に、大量の粉々に壊されたトロ箱(魚を入れる発泡スチロールの箱)が流れてきて拾うのが大変であった。これらは、故意に発泡スチロール箱を壊して河川に流し込んでいる輩(やから)の仕業か。


 観光客が年間70万人も訪れる浜離宮では、その回りを取り囲む水辺を、1日2~3回も小型ボートでごみを拾っている。ここでは、かつて隣りが築地市場であったため、トロ箱が大量に水辺に浮遊していた。恐らく風で飛ばされて浮遊していると思われるが、値段が安いために、不要になった発泡スチロールを故意に捨てている輩(やから)もいるかもしれない。

 このように、発泡スチロールはかけらがポロポロと落ちるという性質がある。なぜポロポロ落ちるのか?それには、製造方法に理由がある。一般に、発泡スチロールといったら、製法により、3種類に分けられる(以下の説明はウィキペディアから拾っている。なおカッコ内の言葉は筆者の言である。)。

1.EPS:ビーズ法発泡スチロール (expanded polystyrene)

ポリスチレンを、主にブタン・ペンタンなどの炭化水素ガスで発泡させて製造される。具体的には、直径1mm程度の細粒状ポリスチレンであるポリスチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させ、これに100℃以上の高温蒸気を当てて樹脂を軟化させると共に圧力を加えて発泡させる。発泡したビーズ同士は融着し合い、冷却時に様々な形状となって発泡スチロールとなる(このために、製造から時間が経つと、この融着が緩んでポリスチレンビーズがポロポロと落ちてくる)。1950年にドイツで発明され、日本では1959年より生産が始まった。断熱性・耐水性に優れ軽量なので、魚介類(トロ箱)や農産物の輸送、精密機械等の梱包材として普及した。日本では年間20万トン近くが生産され、その過半数~6割が容器として利用され、3割が緩衝材として、残りが建材や海などに於けるフロート(ブイや生簀の浮き)等に利用されている(このフロートからボロボロとビーズが落ちて河川を汚染している。ボロボロ落ちない製品に転換すべきである)。発泡させたポリスチレンビーズは、安価な緩衝材として、布袋等に詰めてクッションなどの家具(ビーズクッション)にしたり、精密機器輸送用の充填用梱包材に使われる。


2.PSP:発泡ポリスチレンシート (polystyrene paper)

 EPSのように高温蒸気で加熱・発泡させるのではなく、熱を加えて融解させた原料に、発泡を行うためのガスや発泡剤を加え、液体から厚さ数ミリ程度のシート状に引き伸ばすと同時に発泡させたもの。発泡率は約10倍である。食品トレーや、カップ麺の容器に使われる。食品トレー等に加工するには、必要な大きさに切り分け、加熱しながら金型でプレスして整形する。


3.XPS:押出発泡ポリスチレン (extruded polystyrene)

液化したポリスチレンと発泡剤と難燃剤を高温・高圧下でよく混ぜ、一気に通常気圧・温度の環境に吹き出させる事で連続的に発泡・硬化させ、これを必要な大きさ(大体高さ2m・幅1m・厚さ10cmほど)の板に切断して製品を製造している。この連続的に製造する方法のために「押し出しボード」とよばれる。住宅の断熱材として屋根材の下や外壁の下などに使われている。

 いま環境中に散乱して問題になっているのは、1と2、すなわちポリスチレンビーズの粒々がポロポロ落ちてくる発泡スチロールのEPSと、風に飛びやすい発泡ポリスチレンシートのPSPである。筆者は、使っているうちに自分の体から原料の粒々が落ちてくる発泡スチロールを、欠陥品といわずして何と言おうと言いたい。この両者、EPSとPSPはその製造・販売・使用を禁止すべきである。読者の皆さんも発泡スチロールの使用を止めるよう提案したい。筆者は、知り合いにも広く伝えて賛同者を得たいと思う。現在、有名なNatureに論文を発表しようと準備中です。南方熊楠(みなみかたくまぐす)もしばしば論文を投稿していたという。掲載された論文の数50編!それにしても彼はどうやって食べていたのか?


千葉県の房総半島沖の水深6千メートル近い深海底で、大量の使い捨てプラスチックごみが海洋研究開発機構の調査で見つかった。1平方キロあたり平均4561個に上り、レジ袋や1984年製のハンバーグの袋があった。海に流れ出たプラごみの集積地の一つと考えられている。2021年4月1日、海洋機構が3月30日、海洋汚染に関する英科学誌「マリン・ポリューション・ブレティン」に論文を発表した。プラごみは、世界で年間1千万トンを超える量が海に流出していると推定されるが、ほとんどの海洋プラごみの行方がわかっていない。海洋機構は、房総半島沖の海底に注目した。黒潮が東シナ海から北上して日本列島の太平洋側に沿って流れ、渦を巻く地点のため、ごみが沈むと考えられた。2019年8、9月、有人潜水調査船「しんかい6500」で調査した。房総半島の約500キロ沖の水深5718~5813メートルの深海底3地点で、1平方キロの範囲を調べ、目に見える大きさのプラごみの個数を数え、一部は回収した。平均4561個で、8割以上が、ポリ袋や食品包装などの使い捨てプラごみだった。過去に深海底のプラごみを調べた国内外の研究では、平均100個に満たないといい、海洋機構の中嶋亮太・副主任研究員は、「房総半島沖の黒潮が渦を巻く場所の深海底は、プラごみの集積地になっていることがわかった」としている。

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